管理栄養士による歯科指導GUIDANCE

常駐する管理栄養士が
お口と全身の健康を
守ります

歯科医院は、「食べる」「話す」といった口腔機能の維持・管理を担う医療機関です。
当院には、食の専門家である管理栄養士が在籍しており、栄養や食事の面からも包括的な口腔ケアを実践しています。これは、単に歯や歯ぐきの治療にとどまらず、咀嚼・嚥下機能の維持や食生活の改善を通じて、全身の健康づくりに寄与することを目的としています。

管理栄養士が歯科医院で勤務していると聞くと、意外に感じられるかもしれません。しかし、管理栄養士、歯科医師、歯科衛生士はいずれも「食べる」という人間の基本的かつ重要な機能に深く関わる専門職です。各分野の専門性を融合させることで、相乗的な健康支援が可能となり、患者さま一人ひとりのQOL(生活の質)向上にもつながると考えています。

歯科医院に管理栄養士が
在籍する重要性とは?

近年、歯科医師をはじめとする歯科医院スタッフと管理栄養士の連携が注目されるようになっています。これは、歯科医院が担う役割が時代とともに変化してきたことと深く関係しています。

かつて歯科医院は、「むし歯ができたら治療する場所」としての役割が中心でしたが、現在では「むし歯や歯周病を予防する場所」へとその機能が大きくシフトしています。当院ではさらにその先を見据え、「健康的な生活を支える医療拠点」としての役割を目指しています。

予防歯科においては、むし歯や歯周病を防ぐことで、咀嚼機能 -つまり食物をしっかり噛み砕く力を維持・向上させることが重要な目標となってきました。しかし、高齢化が進む今、咀嚼にとどまらず「食べる」という一連の口腔機能全体を支援し、それによって栄養状態を改善する必要性が高まっています。

当院でも予防歯科を積極的に取り入れ、健康な口腔状態の維持に努めていますが、中にはすでに口腔機能が低下し、十分に食事が摂れず、全身の健康状態にも影響を及ぼしている患者様もいらっしゃいます。そうした方々にとっては、単にむし歯を治療したり入れ歯を装着したりするだけでなく、残存する口腔機能に適した食事内容の提案や、専門的な栄養指導が欠かせません。

そのため当院では、「食の専門家」である管理栄養士をチーム医療の一員として迎え、歯科医師や歯科衛生士と連携しながら、口腔機能の回復と栄養改善の両面からトータルなサポートを提供できる体制を整えています。これにより、患者様一人ひとりが「食べる楽しみ」を取り戻し、より健やかな生活を送っていただけるよう支援しています。

GUIDANCE 管理栄養士による
食生活指導

当院では、患者様のライフステージや生活習慣に応じた、個別の栄養指導を行っています。歯は、胎児期にその基礎が形成され、生えた後は皮膚のように再生することはありません。そのため、妊娠中にはカルシウムをはじめとした栄養素をしっかりと摂取し、健やかな歯の発育をサポートすることが大切です。

一度欠けたり失われたりした歯が自然に元に戻ることはありませんが、歯の表面では日々ミネラルの「脱灰」と「再石灰化」が繰り返されています。必要なミネラル(カルシウムやリンなど)を適切に摂取することで、歯質の強化やむし歯予防に役立ちます。

さらに、糖尿病と歯周病には深い関連性があり、血糖コントロールが口腔の健康に大きく影響します。また、糖分の摂取頻度がむし歯のリスクを高めることも知られています。当院では、糖の吸収を緩やかにする食べ方や、適切な糖質管理に関するアドバイスを通じて、全身と口腔の健康の両面からサポートしています。

このように、当院では口腔の健康を軸に、全身の健康へとつながる食生活の見直しをお手伝いしています。

オーラルフレイル、
ご存じですか?

オーラルフレイルとは?

「オーラルフレイル」は、健康な状態と明らかな機能障害の間に位置する、比較的新しい概念です。この段階で適切に対処することで、進行を防ぎ、再び健康な状態へと戻すことが可能です。

オーラルフレイルの初期症状は、滑舌が悪くなる、食べこぼしが増える、飲み込むときにむせやすくなる、硬いものを噛みにくくなるなどの変化から始まります。

こうした小さな変化は、日常生活の中で見逃されがちですが、放置しておくと徐々に「食べる」「話す」といった口の機能全体が低下し、低栄養や全身のフレイル(虚弱)状態につながる可能性があります。

そのため、早期発見と予防のためには、歯科医院での定期的な口腔機能のチェックがとても重要です。専門的な視点での評価やアドバイスを受けることで、口の健康だけでなく全身の健康維持にもつながります。

口腔機能低下症と栄養指導

当院では「食べる」「話す」といったお口の働きが徐々に低下していく状態である口腔機能低下症に対する診療を行っています。 診断には、舌の筋力を測定する舌圧検査や、噛む力を測る咬合力検査などでお口の状態を評価します。その結果をもとに、患者様それぞれの状態に応じた治療プランをご提案いたします。

さらに、管理栄養士による栄養指導を組み合わせることで、口腔機能の低下に伴う体力の減退や全身状態の悪化を未然に防ぐことを目指しています。

このように、歯科医師が口腔機能を評価・管理し、管理栄養士がその状態に合わせた栄養面からのサポートを行う体制を整えていることが、当院の大きな特徴です。お口から全身の健康へとつながる、包括的な医療をご提供しています。

お子さまへの指導も
行っております

  • 口腔機能発達不全症

    舌の力や噛む力、飲み込む力など、お口の機能が十分に発達していないお子様が増えてきており、その状態は「口腔機能発達不全症」と呼ばれています。この症状は、子どもの健康的な成長・発育にさまざまな影響を及ぼす可能性があり、社会的にも大きな関心が寄せられています。

    当院では、こうしたお子様に対して、専門的な検査を行い、一人ひとりの状態に応じた口腔機能のトレーニングや支援を行っています。

    また、お口の発達には「食べる力」と「食べる環境」の両方が重要です。そのため当院では、バランスの取れた食事内容の提案(栄養指導)、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼす癖への対応、正しい姿勢や咀嚼・飲み込みを促す食環境へのアドバイスなどを行っています。

  • 離乳食指導

    当院では管理栄養士による離乳食指導を実施しております。「まだ歯が生えていないのに歯科医院で相談?」と不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

    しかし、離乳期は咀嚼機能や顎の発達、嚥下機能の基礎を形成する重要な時期であり、食形態や与え方を誤ると、将来的な不正咬合や口腔機能発達不全のリスクを高める可能性があります。

    当院では、管理栄養士が、お子さまの発達段階に応じた食形態の選び方、栄養バランスに配慮した離乳食の進め方、口腔機能の発達を促す食事姿勢や食べさせ方などについて、専門的な視点からご提案いたします。

    離乳食に関してご不安のある方や、発育・栄養に関する疑問をお持ちの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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